BEV(Honda N-ONE e:)試乗記 #1 ~レジャー利用も余裕の航続距離~

いつもお世話になっている地元のホンダディーラーから、昨年発売の軽EV、N-ONE e: を5日間拝借し、BEVへのトランジションを体験してみました。

トライアルの1日目はレジャー利用。結論から言えば、軽EVでも小旅行は十分に成立します。しかも「我慢してなんとかなる」のではなく、無理のない移動として自然に成立する、というのが率直な感想。

高速道路は80km/hで快適ノンビリドライブ

バッテリー満タンでしたが出発時にインパネに表示された航続距離は160km。数字だけを見ると、かなり不安に。現実にはもっと減るかもしれないので、SA/PAで経路充電が必要になるかもなぁ・・・と不安を抱えての出発。

当日は、外環道も常磐道も渋滞はなく、ACCを80km/hに設定していちばん左側の車線を淡々と走行しました。何が何でも航続距離を伸ばしたいので、アクセルはほとんど踏みません。でもこれがとても快適。トラックの車列に混じって一定速度で走るという運転スタイルがBEVにいちばん合っていると思います。常磐道は勾配も少ないのでトラックの速度変化も小さく、のんびり走るには理想的な環境。Android AutoでSpotifyのプレイリストを聴きながらダラダラとドライブ。当然、エンジン音はしません。

いちばん左側の車線は空いてて運転しやすいのにねぇ・・・

ACCとLKASも軽自動車だと思えば十分よくできています。ピーキーな挙動を示すACCも多いですが、今回の試乗ではとてもマイルドで、不満は全くなかったです。LKASは車線内で少し左右に振れる感じがしましたが、手放しにせずちゃんとハンドルを持っていれば、まぁ快適な運転でした。たぶん、自分が乗り慣れていないため、LKASが少し右に寄せている気がして、自然とハンドルを左に当てていたように思います。

また、足もとがちょっと寒かったのがツラかったかも。航続距離を延ばすため、当然A/Cはオフにして、シートヒーターで寒さをしのぎましたが、1時間くらい乗っていたら、つま先がジンジンしてきました。たぶん「靴用の使い捨てカイロ」を仕込んでおくのが正解だと思います。でも身体はシートヒーターで十二分に快適です。

急速充電インフラにはやはり不満が

1時間半ほどで大洗に到着。バッテリー残量は46%、残りの航続距離表示は78kmでした。移動距離は約110kmですので、160-110=50kmくらいまで減るはずだったのですが、計算が合いませんね。試乗車に記録されていた電費がかなり悪くて、高速道路のノンビリ走行なら航続距離はもっと長い、ということだったのでしょう。

で、大洗市役所に立ち寄り、30分ほど急速充電を行いました。eMPのカードは持っていないので、ゲスト利用。5分以内にクレジットカード情報を登録しないといけない、というので焦りましたが、まぁ、なんとか充電開始できました。しかし、登録のインターフェイスはけっこうわかりにくく、5分以上かかってしまう人もいるだろうなと思います。急速充電まわりの仕組みはやはり抜本的に改善しないと、BEV普及の大きな障壁となるでしょう。他の充電サービスも増えてきている中、支払のインターフェイスを統一するなり、もっと使いやすくするのが経産省の仕事だと思うのですがね・・・やっぱ霞が関はBEVを普及させる気がないんとちゃうか。

空いてなかったらどうしよう・・・と不安でしたが、完全に杞憂でした

充電中は市役所から目と鼻の先の「めんたいパーク」で時間つぶし。意外と小さな施設で、市役所に戻ってきてもまだ充電中で、ちょうどよいタイミングでした。やはりBEVで旅行するには、急速充電中の30分の時間つぶしがダイジですね。EVオタクなら充電器を眺めているだけでよいでしょうが、フツーの人なら、何かしら時間つぶしになるアクティビティが絶対に必要。今回のめんたいパークは大成功でしたが、実は、こういう場所、ほかには見つかりませんでした。

観光地の着地で、ちょうど30分くらい時間を潰せる場所に急速充電施設を戦略的に配置するのも、今後のBEV普及に必須となるでしょう。しかし現実にはそれは全くできていません。あるいは1時間以上滞留する場所であれば、駐車スペースを工夫して、1台の充電器を2~3台で使いまわせる(30分後に戻って来る面倒くささをなくす)みたいなことも必要でしょうね。結論として、クルマ自体はとてもよいのですが、充電インフラの使いにくさは強く感じました。

まぁ気になることはたくさんありましたが、SOC85%程度まで回復。その後の行程には十分な量でした。

その後は、那珂湊へ移動。刺身食って、常盤ものの魚を買って、水戸偕楽園にも足を伸ばしました。偕楽園はまだ梅がほとんど開花してなかったです Orz…。

太平洋をバックに…

下道こそ本領発揮、そして余裕を残して帰宅

帰路の途中、下道を使ってポケットファームどきどき(茨城町)へ向かいました。信号が少なく、50km/h前後で一定速度を保って走れる区間では、電費が明らかに向上します。軽EVは市街地専用と思われがちですが、こうしたイナカの下道こそが軽EVの本領発揮と感じました。

トランクスペースは一見、かなり小さいのですが、意外と積めました

岩間ICから再び常磐道に乗ると、交通量はさらに少なくなっていました。往路と同様、80km/h巡行で淡々と走り、そのまま自宅へ。帰宅時のバッテリー残量は30%強。「ギリギリ戻ってきた」のではなく、「まだ余裕がある状態で戻ってきた」というのはダイジです。往路はドキドキでしたが、帰路はほんと何の心配もなく運転できました。

まとめ:軽EVは「近所専用」ではない

今回の実走で強く感じたのは、軽EVの小旅行はきわめて現実的で、しかも快適だということ。

今回はたまたま、出発時に航続距離が150km前後と不安をあおる数字でしたが、N-ONE e:の場合、高速道路メインの200km前後の行程なら、十分に経路充電なしの射程圏に入りそうです。またもうちょっと遠出の日帰り旅行でも、SA/PAなどでの経路充電を1~2回嚙ませれば、距離の心配はしなくてもよさそうです。

もちろんこのN-ONE e:が最新型で航続距離が長い(WTLCで295km)ので、日産サクラの場合は充電がもう少し必要になってくるでしょうが、まぁそれでも、SA/PA上の急速充電の時間つぶしさえうまく計画できれば、軽EVでも問題なく小旅行に使えそうです。

逆に、車体の側がよくできているからこそ、充電インフラの不十分さが悪目立ちします。観光地のエリア内で、30分程度の時間つぶし・休憩ができる場所に急速充電施設をうまく組み合わせることが、喫緊の政策課題と言えそうです。

途中、干し芋専門店を偶然、発見。こういうのがドライブの楽しいところ。

2026/02/05 10:28 AM -


ふたば未来学園中高(@広野)に伺ってきました

科研費研究の一環で、ふたば未来学園中高を視察させていただきました。中等教育における紛争対処教育ということで、「演劇」を使ったロールプレイ、empathy能力の涵養を行われているそうです。

高校1年生が、双葉郡において二項対立の論争となりがちな課題について、それぞれの立場の人から話を聴いて、その対立的関係をベースとした短時間の作品をつくって、さらに演じているそうです。それぞれの視点を考察させることで、紛争・対立・利害を分析する能力を涵養して、さらにそれを実際に演じることで、他者へのempathy能力を高めるとのこと。

もともと平田オリザ氏が直接、プログラムを開発したそうですが、現在では同校の教員(ただし演劇による教育の専門性あり)が運用しているようです。

かなり昔の事例ですが、自分は「まちづくり」の文脈で、演劇を用いた合意形成・行政職員研修なんてものを見聞きしたことがありました。昭和末期か平成だったか・・・けっこう存在していたように記憶しているのですが、ネットで検索しても資料が見つかりません・・・。しかし自分は「演劇」系の取り組みは、なじめないというか、毛嫌いというか、興味が持てなかったもので、「へぇ・・・」と遠目に眺めるだけで終わっていました。

とはいえ今回お話を伺ってみると、演劇は一種のロールプレイなんですね。自分の交渉学の教育でも、模擬交渉というロールプレイを数多く利用します。受講生は与えられた役割の説明(指示書)を読んで、その役割を「演じる」わけですが、それこそまさに台本のない演劇なわけです。そういえば自分も、模擬交渉の説明をするときに「これは即興劇なんですよ。」という説明をよくしていました。

今回視察した事例は、即興劇ではなく、事前に台本を用意するので、違うといえば違うのですが、その本質は交渉学教育の模擬交渉・ロールプレイとほぼ同じような気がします。

違いは何かといえば、交渉教育の場合は、指導者の側が理解してほしい内容を踏まえたシナリオ(ある意味台本)を与えるのに対し、教育の場合は、受講者がみずから台本を作成することかなと思います。そう考えると、「高校生が台本を作る場面で、どういう指導が行われるのか?」が個人的にはいちばん重要に思えてきました。

2026/01/28 9:35 AM -


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