トランジションの「片側」だけを敢えて考える
トランジション・マネジメントって、持続可能な未来社会の到達を早めるのと同時に、従来の「悪い」社会の崩壊も同時に早めないといけませんよね、というハナシなわけです。未来のことばっかし話していると、立場が危うくなる従来の社会のキープレイヤーたち(incumbentsと言います、villainみたいなもの)が邪魔してくるので、未来社会はなかなか到達しませんよ、というハナシ。

しかしですよ、やっぱし古いものを「壊す」のって、なんか気が引けるというのも、わからなくはない。これまで幸せな暮らしを送ってきた人たちがツラい状況に陥るのは、自業自得とはいえ、なんか可哀そう。人間って「得る」ことよりも「失う」ことを過大視しがちな生き物であることは、Kahneman先生のおっしゃるところですので、従来の社会の崩壊を話すと、みんな「え~っ」っと気が引けるのかもしれません。
確かに、真っ白なキャンバスに自分の未来を描くのって、すこし怖いけど、ワクワクしますよね。
逆に、これから消えていくものをケアしなきゃいけないって、面倒くさいというか、後ろ向きな感じがしますよね。
そう考えると、トランジションを加速する(特に、フロントランナーからの拡大波及を加速する)ため、敢えて従来社会の崩壊を無視するようなマーケティング、ワクワク感だけを強調するようなマーケティングも大事なのではないかと思えてきました。
当然、トランジションをマネジメントする立場からすれば、従来社会側からの反発・妬み・やっかみも考えておく必要があるわけですが、そっちばかり気にしていたら、本末転倒で、前向きになれない嫌なお仕事になりそうです。
最近、EVの普及を見ていると、若い人たちが新しいガジェット、新しい移動体験としてテスラに飛びついているように見受けられます。僕が若い頃にホンダのプレリュードかっこえぇと感じていたのと同じ感覚で、テスラを受け入れているのではないでしょうか。そこへ中年のオッサンが「脱炭素ガー」なんて言い出すと、せっかくの面白いガジェットに飛びつこうとする若者たちに、冷や水を浴びせるだけのことかもしれません。
そういう意味で、トランジションの加速をどげんかせんば、と日々感じている自分としては、ポジティブでwktk()感重視のマーケティングをいかに利用するのか、ちょっと考えていこうと思います。
2026/04/03 10:12 AM - ツイート
