実証ばかりで拡大波及/トランジションに進まない日本(OECD報告書)

OECDの”Environmental Performance Reviews: Japan 2025“なる報告書が21日に公表されました。

で、ざっと概要を読んでいて気になった個所がこちら。

Successful pilot initiatives must be scaled up to expand reach and impact. In addition to continued financial and technical support to local authorities, the government could implement awareness campaigns, develop training programmes and establish a regional support network….

実証事業を拡大波及(スケールアップ)させてインパクトをちゃんと持たせなきゃいけませんよ、というメッセージ。

いやほんと、(沖合の)洋上風力の世界を眺めていると、15年前にはすでに実証が行われて実証機が立ち始めていたのに、いまだに国内で竣工している沖合洋上ウインドファームはない(五島があと少しで完成かな・・・)状況なわけです。霞が関ってほんと技術開発というか実証事業が好きで、そこには予算はつけるんだけど、それを社会へと実装して未来を変えることにはコミットしたがらんのですよね。

まぁせいぜい4年くらいのキャリアの人事異動サイクルでは、数年の実証事業なら自分の在職中に手柄にできるけど、社会実装となると10年くらいの覚悟をもって取り掛かる必要があって、自分だけでは責任をとれない(後任に迷惑かけるかもしれない)から、萎縮しちゃうんでしょうかね。

まぁそんな具合で、OECDの報告書でも指摘されてしまっているわけです。この段落には「Regional Environment Offices could play a more active role to improve co‑ordination between national and local governments. 」(環境省の地方環境事務所がもっと積極的に調整役になれるはず)なんてことも書かれていて、実は環境省の中の人が書いているんじゃないかなぁという気にもなります。まぁOECDってキャリアの出向者多いんでしょうね。

いずれにせよ、実証で終わらせずにトランジションにコミットする意気込みこそがいまのキャリア官僚に求められているように思います。

2025/03/23 8:40 AM -


トランジション加速の「実践」をどうするか

ぜんぜん論文が書けない松浦です。しかし”sustainability transition”がらみの論文はアホみたいに急増していて、Google Scholarのアラートメールでも毎週のように新しい論文が出たよ、って案内が来ます。

とはいえ、トランプ政権は地球温暖化自体をマジで否定して、この数か月で職員解雇だの事業中止だの、まさにトランジションの「逆コース」をすさまじいスピードで実践しているわけです。そういう意味ではトランプ氏は(向かう方角ははとんでもないけど)有能なチェンジ・メーカーなのでしょう。

そう考えると、気候変動というか長期的な社会の持続可能性(≒自分の子供や孫たちの将来)が不安な自分としては、悠長に傍観者として論文なんて書いている暇はなくて、むしろ現場で「実践」して、そこからトランジションを加速するための知見を獲得して広めることこそが、自分に課された役割のような気がします。

ということで来年度の目標は、トランジション・マネジメント(加速)の現場での実践に注力・・・かなと思っています。

 

 

 

2025/03/14 8:12 AM -


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