質的研究の課題:第40回環境システム研究論文発表会で発表
さる10月21日に和歌山大学で開かれた土木学会の「第40回環境システム研究論文発表会」で発表してきました。発表内容は、2011年度の東京大学公共政策大学院「事例研究(政策プロセスマネジメント)」ゼミの成果で、「農業分野の気候変動適応策検討のためのステークホルダー分析の提案」について発表してきました。
埼玉県の児玉地域、川越地域の農業について調査したのですが、結論としては、気候変動適応よりも、後継者、農業経営がより喫緊の課題で、長期的な気候変動についてはサプライチェーン上のほとんどのステークホルダーが関心を持っていない、ということでした。提案としては、気候変動適応化研究を行うにしても社会実装を目論むのであれば、実装において協力が必要となるステークホルダーの利害関心把握が有用であること、環境省単独ではなく農水省、経産省、その他関係省庁を巻き込んだガバナンスの形成が必要であること、などになります。
で、質疑応答のなかで、ステークホルダー分析の客観性・有意性について問われました。というのも私以外の発表は因子分析など統計的手法を用いていて、私たちのステークホルダー分析で出てきた結論がバイアスがないことを同じように確認したいというのは、当然のことなんだと思います。
私の回答としては、1)調査主体が農業や気候変動いずれについても特に強い意見を持っているわけではなく、結論を誘導することに利害関心がないこと、2)芋づる式で対象者を探して飽和してるので、十分網羅したと考えられること、3)統計上の有意性はないかもしれないが、質的研究によって新たな論点が提起されることが、社会に便益をもたらすのであれば、それは研究として意義があるのでリジェクトすべきでなかろう、という3点かと思います。
quantitativeとqualitativeの問題は一種の科学パラダイムのようなものでしょうから、今後とも、いかにお互いを認めて、共生しながら相互に高めあうか、そこがキモなのではないかと思います。
2012/10/22 2:31 PM - ツイート
未分類松浦研究室月報 2012年9月
昨年12月から月報書くの面倒になって放置してましたが、twitterが規制規制でつまらなくなるなか、ブログに原点回帰を試みる一環で再度月報をはじめてみます。
9/1 コーネル大学ジョン・フォレスター教授講演会(東京)ほか
John Forester教授に来日いただきました。Critical pragmatismについてご講演いただきました。SchonやFreieのpragmatismについてお話いただきました。また、iJFFプロジェクトの一環で小勉強会を開催し、共同事実確認を、単なる情報提供手段としてではなく、リフレーミングの機会としてもとらえる必要性を指摘いただきました。
9/2 コーネル大学ジョン・フォレスター教授「プロファイル」勉強会
科研費(基盤(B) 実践のプロファイリング手法を用いた政策形成過程における「調整役」機能の研究)の中核をなすPractitioner’s profileの手法について、インタビューの方法、アプローチの仕方、など個別具体的にてほどきを受けました。
9/4 科研費勉強会
新学術領域「新海洋像:その機能と持続的利用」の計画研究で、「海洋科学との接続性を考慮した海洋ガバナンスの構築」班の代表をしているので勉強会に出てきました。
9/5 コーネル大学ジョン・フォレスター教授講演会(京都)
Dialogue-Debate-Negotiationなど、都市計画におけるインタラクションの諸相についてご講演いただきました。京都大学の神田先生に大変お世話になりました。
9/9 沼津駅付近鉄道高架事業に関するPI委員会(沼津)
第6回委員会に出席してきました。
9/10 「政策プロセスマネジメント」ゼミ最終発表
事例研究ゼミの各班の最終発表会。みなさん現場に出て、よく調査していました。
9/11 iJFFプロジェクト第2回勉強会
iJFFプロジェクトの定期勉強会でした。今回は、ファシリテーションについてプロの方からお話を伺い、とくに人を集める招集の場面での課題について議論を深めました。また、現実のファシリテーションにおいて専門的情報がどのような形で導入されているのか、建築の分野などでの実践から有益な情報を引き出せました。
9/22 科研費勉強会(淵野辺)
長野県看護大の「不確実性に対する合意形成に関する応用倫理学的考察」の研究会に参加してきました。ファシリテーションにおいて、公正・配分等の側面でどういう問題が生じうるかを問題提起してきました。
9/24 北陸先端科学技術大学院大学講義
JAISTの東京サテライトでは交渉学について学生のニーズが高いそうで、夜のセミナーで社会人大学院生向けに交渉学について講義してきました。
9/26-27 北海道大学大学院理学院集中講義・CoSTEPセミナー
1.5日間の集中講義で、交渉と合意形成についてお話してきました。また、1日目の夜には高等教育推進機構科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)で、共同事実確認について紹介してきました。
2012/09/28 9:53 AM - ツイート
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