「認知資本主義」読了
twitterで見かけて、何気なくおもしろそうだったので読んでみました、この本。
とてもよい意味で期待を裏切るものでした。
まずはどうでもいいことですが表紙。ネットで見ると黄色に見えますが、これ、金色です。とてもゴージャスw。
そんなことはどうでもよくて、中身なのですが、認知資本主義、マルチチュード論(←これはまだ小職完全に理解しきれず)などを参照しながら、「労働」の変容を説いています。僕はまだ古い思想体系に凝り固まっているのかもしれませんが、労働の対価として賃金が支払われるのであって、個人が生存のために手段として労働を提供することを前提にいろいろなモノゴトを考えておりました。しかし、認知資本主義においては、労働と余暇の間に境界線を描くこと困難で、生きることこれ即ち労働(生産)という非物質的労働が基本となってしまうようなのです。
実際、ボクにとって最近とても「不思議」な現象って、これで説明できることが多いような気がするのです。地方やイナカの「まちづくり」のような活動をする人々、より広い意味で「最先端」に見えるような活動をしている人々を遠くから眺めていると、どこまでが彼らの労働で、どこまでがプライベートなのか、その境界線が全く見えないのが、ボクにとって不気味で仕方ないのです。どこで生活費を稼いで家計を維持してるのか、謎なんですよね。もちろん何か手段があるのでしょうが。しかも、優秀と目される人々が、何かを生産しているようには見受けられないのです。失礼ですが、なんか、チャラチャラしてるな、という印象が強いわけです。
でも、確かに認知資本主義の時代においては、需要と供給がマッチしてそこに労働が発生し、生産性向上のための都市集積やイノベーションが発生するという従来のモデルを踏襲している以上、何もブレークスルーは起きない。むしろ、そもそも何が需要か、という人々の認知システムを創造してしまうことのほうに大きな意味があるのでしょう。だからこそ、現在、先駆者のように見える人たちは、従来の「生産」や「労働」という概念の枠では説明できない、新しい価値システムの創造に勤しんでいるのかもしれません。
僕は80~90年代の歌謡曲をいまだに愛好する保守的な人間なので、こういう、社会システムの大きな変革を目の当たりにすると、困惑するし、気持ち悪いなぁ、軽薄だなぁ・・・という気持ちを抱いて、自分の心を落ち着けようとするのかもしれませんが、もしかすると、従来の「労働」概念を捨てないことには通約不可能な、経済社会システムの大きな変革が、この20年程度で進行していくのかなぁ・・・なんて思えてきました。
とりあえず、復習がてら、この本のなかで何度も参照されている以下の本をいま読みはじめたところです。新しい都市(まちづくり)の姿を模索する必要性をひしひしと感じています。
2016/06/17 12:56 PM - ツイート
未分類灯台は「陸上」なのか?
Cuban Migrant Lawyers Say Keys Lighthouse Equals US Arrival – ABC News.
米国からキューバへの定期航空便が飛ぶようになったいまでも、米国へ逃げ出そうとするキューバ難民はたくさんいるのですね。確かに北朝鮮だって北京への定期航空便があるにもかかわらず簡単には逃げ出せそうにないですものね。
で、今回の一件。まず、前提として、米国の「陸上」に足を踏み入れた難民は上陸が許可され、「海上」で捕まった難民は強制送還にする、という米国連邦政府のルールがあるそうです。
今回問題の難民たちは、沖合7マイルにある米国連邦政府所有の灯台、American Shoal Lighthouseに泳ぎついて、灯台のやぐらに登っていたところを沿岸警備隊に見つかり、身柄確保されたそうです。
さて、この沖合にある灯台は、難民の上陸許可を判定する上での「陸上」なのでしょうか?
連邦政府の検事は、これは構造物であって陸上ではないと主張しているそうです。弁護士は、灯台が連邦政府所有であり、陸上だとみなすべきだという主張をしているそうです。判事は、これは難しい問題だということで、判断に時間を要しているそうです。
確かに、陸続きではない構造物に登ることが陸上とみなされてしまえば、際限なく適用範囲が拡がりかねない危惧もわかります。しかし、過去の判例では、古い橋梁の遺構で、すでに陸とつながっていなかった構造物に登った難民が上陸を許可されたことがあるそうで、これを適用すれば今回も許可されるべきだろうという見方があるそうです。
法的思考のパズルとしてはなかなか興味深い事案ですね。とはいえ、キューバとの急速な関係改善を考えれば、そもそも”wet foot, dry foot”というキューバ国民のみを対象とした謎の判断基準を見直す時期が来ているのかもしれません。
2016/06/16 8:25 AM - ツイート
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