イラン攻撃による石油ショックはトランジション加速の契機になる「べき」なのだが・・・
まだまだ薄ら寒い日が続きますね。こんな天気が続くと気候変動・地球温暖化のことを忘れてしまいますが、まぁあと3~4ヶ月もすれば、また酷暑になって、「やっぱ気候変動どげんかせんば」という気持ちになるんでしょうな。
で、イスラエルと米国によるイラン攻撃ですが、影響は長期化しそうですね。さいわい、西側諸国はトランプ大統領を袖にして、いわゆる世界大戦的なエスカレーションは回避されそうではありますが、ホルムズ海峡云々で、50年ぶりの石油ショックの再来はあり得るかもしれません。
日本から遥か遠いペルシャ湾での揉め事がなぜに私たちの生活に影響を与えるのかといえば、当然、私たちの生活が化石燃料(石油)に依存しているからなのですね。50年前の石油ショックのときに、これはマズいってことで、省エネや天然ガスシフトが進みましたが、いまだに大半のクルマはガソリンや軽油で内燃機関を動かして走っているので、まだまだ依存は終わっていません。
つまり、われわれの生活は化石燃料の供給と消費という循環(無限ループ)に支えられているわけです。

この循環が、イラン攻撃(ホルムズ海峡封鎖)で一部断たれたことで狂い始めたわけですね。機械の歯車のギアが欠けて、スムーズに回転しなくなり、ガタガタと揺れ始めたのをイメージしてもらうとよいかと思います。

このとき、この無限ループを回し続けようとすれば、(1)別の方法で供給を確保するか、(2)消費を減らすか、の2択しかありません。

なお、政府は補助金を入れてガソリン価格を下げるみたいなことを言っていますが、財源はわたしたちの税金ですから、これは本当の対策ではありません。すぐにループは回らなくなります。
しかし、そもそも論として、現状での化石燃料消費はCO2排出→温室効果により、気候変動・地球温暖化を深刻化させます。最高気温40度があたりまえの世界が来るんですよ。それでいいんですか?
むしろ今回の石油ショックを機に、この無限ループから抜け出すほうが、ずっとエレガントな解決策ではないでしょうか。それが私がずっと言ってきた「トランジション」であります。

化石燃料消費をいますぐ止めるのは大混乱で無理ゲーでしょうが、これを機に、できるだけ再エネの供給・消費というループへ移行していくことが、ほんとうの意味での未来への投資でしょう。当然、従来の化石燃料ベースの無限ループを廻そうとするほうがラクなので、面倒くさがっていたら、トランジションなんておきませんが、何度も言うように、ほんとに耐えられない酷暑が来てもいいんですか?ってハナシであります。
CO2排出削減という意味では原発再稼働・新設でもいいかもしれません。それが持続可能かどうかについてはCO2排出削減とは別の話かと思いますので。
何はともあれ、この石油ショックを機に、少しでもいろんな場面で、再エネベースのシステムへのトランジションが芽吹いていくしかないだろうし、そうならないなら、本当に日本の未来は暗いように思います。
2026/03/19 9:07 AM - ツイート
Careと対話実践に関する合宿
さる週末は大阪というか、りんくうタウンで開催の合宿に参加してきました。

自分が「科学技術と社会をつなぐためのケア概念に基づく対話実践の再構築」というRISTEXのプロジェクトに研究協力者として参加させてもらっているのですが、その合宿でした。
ケア概念というのが、自分自身はまだ学習途上なのですが、Joan TorontoがCaring Democracyのなかで主張している、民主主義(というか政策形成?)のなかで、独立した個人を想定する新自由主義的な交渉による調整に代わり、相互依存を前提とした対話調整への転換のようなことのように思われます。
そういう意味では、熟議民主主義論に近いように思いますし、またあまり議論されていないようですがEtzioniのcommunitarianismに近いようにも思います。僕の交渉学的利害調整志向のコンセンサス・ビルディングプロセスは批判の対象かもしれませんね。
合宿のなかで出てきた論点として、(既存の)相互依存関係を前提とすることで、それにマッチしない人間や考えを排除する論拠(排外主義みたいなもの)としてケア概念が利用されてしまう懸念がありました。そう考えると、新自由主義的な「都市における独立した個人の自由」も捨てたもんじゃないよね、と思えてきます。喧嘩上等、縁切ってBATNA選んだるわい、くらいのほうが個人的にはいい気がするし。まぁ結論は「どっちもどっち」ということなのでしょうかね。
いずれにせよ、こういう場を通じて自分の知識の引き出しを増やしていかないといかんですな。
2026/03/04 8:37 AM - ツイート
